国内有数の「星の聖地」で宇宙のスケールを体感しよう!胎内自然天文館/胎内市


2023年06月19日 2601ビュー
(提供 胎内自然天文館)

以前、「自宅で星を観測したい!」と思い、お手軽価格の望遠鏡を買ってみたところ、肉眼で見るのとあまり変わらなかった苦い経験がある、天体憧れライターの中林憲司です。

新潟県胎内市で毎年開催されている「胎内星まつり」を知っていますか?夏に開催される天体ファンや一流の望遠鏡メーカーなどが集まる星を愛する人たちのイベントで、県外からだけでなく、海外からもたくさんの人が訪れます。※今年の胎内星まつりは「40周年記念開催」、8月18日(金)午後~20日(日)昼

天体観測に適した環境であること、そして「胎内星まつり」の広がりなどで胎内市は、「星の聖地」と呼ばれるようになりました。
(提供 胎内自然天文館)

「星の聖地」には天文台があったらいいね!という声から誕生したのがここ、胎内自然天文館です。

ここには大きな望遠鏡があり、一般人でも天体観測ができる!

そう聞いた私は、格安望遠鏡の再購入検討を一時中断し、胎内自然天文館へ向かいました☆彡

胎内自然天文館

日本海東北自動車道中条I.Cから車で約35分。自然豊かな胎内平にある施設が胎内自然天文館です。360度自然に包まれていて周りには建物がほとんど見当たりません。

星が良く見える場所というと、市街地から遠い場所でもっと標高が高い場所というイメージでしたが、ここは市街地から約20分の場所に位置しています。
 
山の上にありますが、標高は200メートルほど。寒さに備えた装備などは必要なく、とても行きやすい環境に施設があるのが嬉しいポイントですね!
入館の受付をして館内へ。訪れた時間は16時。では、さっそく天体観測!

‥‥はい、聞こえました。「星、まだでしょ?」という読者のあなたの声が。

大丈夫です!胎内自然天文館は、日中は太陽を観測することができるんです!という事で、さっそく観測室へ向かいます!

ドーーーーン!!!


「以前買った格安望遠鏡の何倍だろう・・・」などと比較すること自体が失礼と感じるほどの巨大な望遠鏡が鎮座していました。

県内最大級、直径60センチの反射望遠鏡。このクラスの望遠鏡は新潟県内では3か所しかなく、とても貴重なものです。
太陽の観測ってどうやるの?って思いますよね。もちろん目を犠牲にするわけではなく、特殊なレンズで太陽を観測するのでご安心ください。

ちなみに太陽の観測は、直径60センチの反射望遠鏡ではなく、その周りに設置されている太陽望遠鏡で行います。

さあ、太陽はどんな風に見えるのか?太陽にフォーカスされた望遠鏡のスコープを覗き込むと、こんな感じの光景が広がっていました↓
(提供 胎内自然天文館)

凄っ!!!


この写真は資料写真ですが、実際に写真のような太陽をしっかりと見ることが出来ました。
太陽観測で注目すべき点は、「黒点」と輪郭部分にモヤモヤっとしているもの「プロミネンス」。これらの現象などについて、天文館の方が詳しく説明してくださいました。

「あの黒点は小さく見えるけれど、地球の何倍もの大きさのものもあるんですよ」

「太陽は誕生して今46億年くらいです。いずれどんどん膨張し、あと50億年ほどで最期をむかえると考えられています。」

「太陽より大きい星は、宇宙にはまだまだたくさんあります」

館員さんの説明に驚きの連続!宇宙のスケールの大きさを実感しました。
太陽観測ができる日中の営業時間は9:00~17:00。とても貴重な太陽観測を楽しませてもらいました!

天候が良い土曜の夜は「星空観望会」開催!

さあ、いよいよ夜の観測です。開館期間中の土曜日には「星空観望会」が行われており、19:30~21:30(9月以降は19:00~21:00)に夜空の天体観測ができます。

しかし開催するかどうかの判断は、当日の夕方の天候状況によります。

私が訪れた日はやや雲が多い空模様で微妙な雰囲気でしたが、無事「星空観望会」が開催される判断が下りました!再び胎内自然天文館に戻り、星空観望会が行われている屋上へ!
 
屋上には本格的な望遠鏡が2台と双眼鏡が1台設置されていて、数人のお客さんが覗き込んでいました。

さっそく私も空いている望遠鏡を覗いてみると‥‥
見えました!どうですかこの写真!!!これは私のスマホをスコープに当てて撮影したものです。ド素人の撮影ですが、それでも月のクレーターがはっきりと見えます。※スマホでの撮影は人が多い時は行えませんのでご注意ください

月のほかにも、惑星や星の集まり「星団」、ガスが輝く「星雲」、「銀河」なども観測することができ、夜空に見える星座の解説も聞くことができました。
日中、太陽観測した観測室に再び訪れました。観測室と望遠鏡はコンピュータ制御によって、指定した方向にドームや望遠鏡の方向を自動的に設定できるようになっています。

係員の方がコンピュータに指示すると、ウィーーーーーンという近未来的な機械音とともにかっこよく動くので注目です!
(提供 胎内自然天文館)

60センチ望遠鏡で見た「M64 黒目銀河」。この写真は胎内自然天文館提供の写真ですが、このように宇宙を間近に観ることができます!
他にもいろいろな色に輝く恒星を見せてもらいながら、恒星の温度と色の関係など、宇宙の神秘を解説してくださいました。

この日は雲が広がってきたため限られた範囲でしたが、季節・時間帯・天候条件などによってはたくさんの天体を観測することができます!

では、胎内自然天文館から提供いただいた他の天体写真もご覧ください↓
夏の大三角(提供 胎内自然天文館)
土星(提供 胎内自然天文館)
プレアデス星団(M45)和名は「すばる」(提供 胎内自然天文館)

すごい写真の数々・・・。条件が揃えば、こんなすごい天体を観ることが出来るかもしれませんね!
最後にこちらもご紹介。2階にあるお土産売り場には、宇宙や星にちなんだとてもユニークな商品がたくさんあり、見ているだけでも面白いです!
宇宙グミキャンディー???

なんでも国際宇宙ステーション(ISS)での実験を経て、地球に還ってきた乳酸菌:通称「宇宙乳酸菌」を、グミキャンディーに練り込んでいるのだとか!

とても気になり購入。食べてみると‥‥宇宙を感じる味がしました(個人の感想です笑)

宇宙に関係する面白グッズがたくさんある売店は是非チェックしてください!

胎内自然天文館で宇宙のスケールを体感しよう!

星を眺めていたら、普段の小さい悩みなんてどうでもよくなってきました。天体観測にはストレス解消のような効能があるのかもしれませんね!

そしてここでは天文館のみなさんが豊富な知識で天体の解説をしてくれるので、星に興味がある子どもたちの自由研究にも最適な場所ではないでしょうか。
今年「胎内星まつり」は、2019年以来4年ぶりに通常開催となります!待ち望んでいた天体ファンも多いことでしょう。

天気のいい日には、「星の聖地」胎内の胎内自然天文館で、宇宙への想いを馳せる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか☆彡
胎内自然天文館

胎内自然天文館

住所:新潟県胎内市夏井1251番地7
開館時間:9時00分~17時00分(入館受付は16時30分まで)、その他イベントによる夜間開館あり※夜の団体利用にも対応
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は翌日)、冬期(12月~4月中旬)※7月25日から8月31日までの期間は休まず開館
利用料金:高校生・一般(税込)300円、小・中学生(税込) 150円

<星空観望会>
日程:開館期間中の毎週土曜日、連休日
時間:19時30分~21時30分(9月以降は19時00分~21時00分)※入館受付は終了の30分前まで
料金:入館料のみ※当日昼間利用の人は再入館可能。※受付で半券を提示
定員:なし
予約:個人の場合は不要 ※案内の都合上、団体での利用は20名未満でも事前に要予約
※12月〜4月中旬まで休館

第40回胎内星まつり2023

40周年記念開催「胎内星まつり2023」通常開催
"40th" TAINAI STAR PARTY 2023
8月18日(金)午後~20日(日)昼
会場/新潟県胎内市胎内平

胎内自然天文館

この記事を書いた人
中林 憲司(なかばやし けんじ)

1978年新潟県加茂市出身。サラリーマンからライター&ブロガーに転身し第二の人生をスタート。愛する新潟と人生を探訪中。

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